事例紹介

 

症状：

初回来院の10日程前、犬を抱き上げた際に負傷。

 腰の痛みよりも左ふともも、ふくらはぎの痛みとしびれが強く、力も入りにくい状態。足の裏はガムを踏んでいるような感覚。

 立ち上がるのが辛く、家の中では四つん這いで移動している。

 5，6年前にも同様の症状があり、MRIで椎間板ヘルニアの診断を受けた既往歴あり。

 前回、鍼灸院に通院して良くなったが、その鍼灸院が閉院していたため他の鍼灸院を探していた。

 HPで当院のことを知り、知人の送迎で来院した。

 駐車場まで迎えにいき、どうにか階段を登り、院内に入ってからは四つん這いで移動する状態だった。

 

 

施術経過：

1回目

状態をチェックすると、仰向けで膝を伸ばしたまま脚を上げていくと（以後、SLR）、60°あたりで痛みと痺れが出る。

ふくらはぎの触られている感覚に異常は無いが、親指や足首を動かす力が弱くなっていた。

第5腰椎周囲を圧迫すると、左下肢に痛みとしびれが放散する。

左殿部の緊張が強く、圧迫すると同様に放散痛が出た。

 椎間板ヘルニアによる神経圧迫、臀部での神経圧迫も疑われる。

 施術は、腰、お尻、左脚に鍼を行ない、手技で首まわり、腰～お尻、股関節前を緩め、硬い部分には更に鍼で刺激を行なった。

 

2回目（初回から4日目）

前回の施術後から痛みの部位がコロコロ変化している。

足の裏はずっとガムを踏んでいるような感じ。少しだけ歩けるようになった。

 SLR約60°で痛みとしびれが増強。

第5腰椎周囲の圧迫、左お尻圧迫での放散痛もあり。

 施術は前回と同じ流れで行なった。

少し長い鍼を使用して、より深部への刺激を行なった。

 

3回目（初回から10日目）

自宅のベランダで少しだが歩く練習をはじめた。

夜、痛みで眠れないということがなくなってきた。

 SLR約60°で痛みとしびれ増強。

第5腰椎周囲の圧迫、左お尻圧迫での放散痛ともに少し軽減。

 前回と同じ流れで施術を行なった。

 

4回目（初回から17日目）

少し歩きやすくなってきた。

しびれも減ってきている。

歩行姿勢を見ていると左膝がずいぶん伸びるようになっている。

左脚をかばっていたせいか、右腰、右膝が気になりだしてきた。

 SLR約60°で痛みとしびれ増強。

第5腰椎周囲の圧迫、左お尻圧迫での放散痛ともに、前回よりも増強。

 前回と同じ流れで施術を行ない、ストレッチの指導も行なった。

痛みが出るようならストップするように説明。

放散痛も強くなっていたことから、歩く練習は頑張りすぎないように注意を促した。

 

5回目（初回から25日目）

3日ほど前から一気に調子が良くなった感じ。

外の散歩や近所での車の運転もできた。

しかし、昨日に犬を抱き上げようとして痛みが出た。

最初に痛みが出た時と同じような体勢だった。

少し良くなってきていたので油断してしまった。

 SLR約60°で痛みとしびれ軽減。

第5腰椎周囲の圧迫、左お尻圧迫での放散痛ともに、前回よりは軽減。

 前回と同じ流れで施術を行ない、ストレッチの確認と新たにトレーニングの指導も行なった。

 

6回目（初回から47日目）

ほぼ問題なく日常生活を過ごせている。

足裏のガムを踏んだような感覚も無くなった。

ウォーキングやトレーニング、ストレッチも順調にできている。

脚の筋肉も戻ってきた。しかし、犬を抱えたり、重い物を持ったりは控えている。

SLRでの痛みと痺れは出ていない。

第5腰椎周囲の圧迫、左お尻圧迫での放散痛も共に無い。

 

前回と同じ流れで施術を行ない、ストレッチとトレーニングの確認を行なった。

 ストレッチ、トレーニングは継続するように説明。

 

日常生活もほぼ普通に過ごせているので、少し間隔を空けて状態を見ながらメンテナンスをしていくことにした。