逆子鍼灸

逆子に対する鍼灸施術について、このような研究データがあります。

妊娠28～37週までの胎位異常(逆子)584例に対し、至陰の灸および三陰交の灸頭針を主とする東洋医学的胎位矯正法を試みた結果、骨盤位５８４例中５２５例が矯正(矯正率８９．８％)されたというものです。

3回までの施術で矯正された症例が310例59％、4回までの症例が412例78.5％。

また、この鍼灸施術による副作用は全く見られなかったそうです。

参照：　林田和郎　鍼灸による胎位矯正法/全日本鍼灸学会雑誌　１９９８；３８（４）：３３５－３３９

この研究データからも逆子に対して鍼灸施術が効果的かつ安全なことがわかります。

それは、子宮の中の環境が赤ちゃんにとって自然と動やすい状態になるからと考えられています。

ただし、はっきりとした理由はまだ解明されていません。

現在、たくさんの研究が進められわかってきたこともあります。

お腹や足のツボに鍼灸をすることでホルモンの分泌、子宮の血流量増加に影響を与えるそうです。

その結果、子宮が柔らかくなり胎動が起きやすくなると言われています。

赤ちゃんが動きやすい環境になって自然に動くため、お母さんにも赤ちゃんにも優しい施術方法なのです。

妊娠中期では30～50％の妊婦さんが逆子の診断を受けています。

そのうち3～5％の方が逆子が戻らずに帝王切開などになります。

逆子の原因は多くが不明です。

明らかになっている原因としては、母体側か胎児側のどちらかに異常があります。

母体側の異常は、子宮筋腫などによる子宮の形態異常、前置胎盤や低地胎盤の胎盤異常、母体の骨盤幅が狭い場合、などがあげられます。

胎児側の異常は、胎児の発育不全など体が小さい胎児、羊水過多の場合、多胎妊娠の場合などがあげられます。

昔は、逆子の場合でも自然分娩していました。

そのため分娩時に産道に足や腕、頭部が引っ掛かり時間がかかってしまいます。

破水して出産が始まると胎児は肺呼吸に切り替わるため、出産に時間が掛かると酸欠状態になり新生児仮死や後遺症を引き起こすリスクが高かったです。

現在では、そういったリスクを避けるため、妊娠35週頃逆子の場合は帝王切開が予定されます。

それ以降でも逆子が戻れば自然分娩への変更は可能だそうです。

母体のことを考えれば、自然分娩の方がリスクは少なく、次の妊娠中のリスクも減らせるためです。

また、胎児にとっても自然分娩の方が免疫力が高くなると言われています。

産道を通る際に、真っ先に母親の腸内細菌を鼻や口から取り込むことで腸内環境に影響を及ぼすと考えらているのです。

逆子が戻った後も引き続き鍼灸施術×整体施術を受けて頂くことが可能です。

施術を継続することで次のような効果が期待できます。

実は、私の次男も逆子でした。

「戻らなかったらどうしよ・・・」

「私の体質のせいかな・・・」

「生活習慣が悪かったんかな・・・」

と、不安や自己嫌悪に陥っている妻を目のあたりにしました。

それだけ、お母さんにとってデリケートな問題なんだと改めて気付かされたのです。

それから自宅で鍼灸施術を行うことに。

2回目の施術後に｢動いたかも！｣と妻は感じたみたいで、その後の検診で逆子が戻っていることが確認されました。

妻からの｢戻ってたよ！｣と嬉しそうな連絡に、私も安堵したことを覚えています。

松本はりきゅう施術院では、鍼灸×整体を用いて逆子を戻すことで1人でも多くの「お母さんの不安を取り除き」「安全に出産をするお手伝いが出来れば」と思っています。

これまでの臨床データから28週～33週頃までに施術できれば、逆子が戻る確率は高いです。

臨月になってからや帝王切開の手術日が決まってから逆子が戻った症例もあります。

33週を過ぎていてもあきらめずに施術を受けてみてください。

しかし、早いに超したことはありません。

30週を超えてくると赤ちゃんが大きくなるし、逆子の期間が長くなるほど戻る確率は下がってしまいます。

あなたが、｢自然に産みたい｣、｢帝王切開は避けたい｣とお考えならば、来院を先延ばしせず、一日でも早い施術をオススメします。

もし、逆子が戻らなかった場合でも、今では帝王切開で安全に出産を終えることはできます。

だから、お母さんはあまり気負わないようにしてくださいね。

最も大事なことは、「母子ともに元気で出産が終えられる」ことですから。

※副作用について：施術後に身体のだるさ、患部の炎症、一時的な体温上昇、鍼による内出血が起こる場合があります。気になることや疑問点がございましたらお気軽にご相談下さい。